初日の試合が全て終了し、256人いた選手達は128人に絞られた。
12人の日本代表選手は全員二日目に残った。

二日目、初日同様、会場の熱気は冷めやらない。
相馬もロベルトも昨晩はぐっすり寝ていた。
もし、4年後に自分が出場する身になったとしたら、おそらく眠ることなどできないだろう。
そう、太郎は思った。

 

試合が進んでいき、ロベルトの試合が近づいてきた。

会場に向かう太郎は前を歩く中条を見つけ、ドキッとした。

「(うわっ、中条選手だ。俺に気付かないでくれよー)」

しかし、そんな太郎の願いは一瞬で砕かれた。

「よお、中条! まだ負けてなかったか!」

と、相馬が大声で話しかけた。

中条は止まって振りかえった。

「これは相馬軍団のみなさん」

中条は太郎をチラと見る……が、軽く笑っただけだった。
中条は太郎がラブホテルの窓から頭を出していたのを覚えているようだ。

 

中条の三回戦が始まる。

中条の相手は前大会第7位、ブラジルのヴィクトールだ。
中条は170cm、80kgの中量級。
ヴィクトールは200cm、100kgの巨人だ。
体重無差別を象徴する対戦だ。

中条の組手のパターンは相手の行動を計算して、的確に攻撃をぶつけて行く。
しかし、今回のような体格差をどのように戦うのか。

 

試合が始まるとヴィクトールはその長い足から前蹴りやブラジリアンハイキックで距離をとる。
中条はヴィクトールの懐に入れない。

「中条の野郎、打つ手なしだな」

「あんなにリーチが違うとどうしようもないですね」

中条は強引に前に出、顔面に前蹴りを喰らう。
だが、鼻血を噴き出しながらもヴィクトールの懐に入り込み、突きの連打を放つ。
クールな中条の戦い方ではない。
鬼気迫る表情で突きを打ち続ける。

「ふん、中条も大和魂をもってるらしいな」

「日本に世界王座を取り戻すため……ですか」

ヴィクトールよりも一回り以上小さい中条の気合に会場は沸きあがる。

だが、ヴィクトールの至近距離からの上段膝蹴りを顔面に受け、中条は沈み込んだ。
立ちあがれない中条は担架で運ばれていった。

「す、すごい戦いだった」

「日本勢初の敗退だな。12人いた代表が、3日目に何人残れるかな」
 

 

ロベルトは初めての世界大会とは思えない内容でベスト32に進出した。
三回戦を終え、ダメージで顔をゆがめてはいたが、すぐに笑顔になった。

もはや太郎の同期の桜は、世界の強豪となっていた。

 

試合が進み、久我がブラジルのジョゼに、伴兄弟の兄の信一がマイケルに敗れ去った。

 

そして大会が始まって初の日本人対決が始まる。
伴兄弟の弟の孝二と相馬だ。

172cm、78kgの相馬に対し、伴孝二は183cm、133kgの超巨体。
そんな山のような対戦相手を前にしても相馬からは臆した表情は読み取れない。

孝二は重戦車のように相馬に突撃するが、すばやく周りこまれる。
スピードが全く違う。
相馬は丸太のような孝二のモモに下段蹴りを集中させていく。

本戦が終わる頃には孝二はまともに動けなくなっていた。
相馬の優勢勝ち。

 

2日目が終了し、256人いた選手達が32人になった。
日本人選手でベスト32に進んだのは7人。
ここまでくると特報神覇館に特集されている強豪ばかりになってくる。

 

第9回世界大会途中経過

 


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